【初心者にやさしい】 苔と植物を分けて育てられる苔玉の作り方
2016/04/14
身近に緑を楽しむアイテムとして人気の苔玉ですが、園芸店やホームセンター、通販で買った苔玉が長続きせず、苔が変色したり同居植物を枯らしてしまったりと「苔玉って育てるのが難しい」と感じられた方もいらっしゃるでしょう。
特に初心者の方が苔玉で失敗してしまう大きな理由は、「苔」と「同居植物(樹木の苗木や観葉植物)」という本来水やりのサイクルや施肥、育てる環境などが異なる2つの生き物を、特に知識のない中で一緒くたに管理しようとしてしまうところにあります。
今回は、初心者の方にも管理のしやすい「苔と植物を分けて育てられる苔玉」(ハイドロカルチャー+苔玉)の作り方のご紹介です。
苔と植物を分けて育てられる苔玉とは
別の記事「初心者に優しい苔玉の選び方とは? 育てる難易度ランキングでみる苔玉の種類」でも取り上げていますので、まだご覧になられてない方は合わせてお読みください。「難易度★★☆☆☆」として初心者の方にお勧めしている苔玉です。
今回苔玉に用いる植物は、根腐れしにくいハイドロカルチャーにも用いられる植物を想定しています。ハイドロカルチャーは、土の替わりにハイドロコーンやゼオライトと呼ばれる人工石を使用するため、室内でも清潔に管理できます。
準備するもの
◎『ネルソル』(練って固まる土)
◎小さいボウル
◎『キムタオル』(水や油拭き用のウェス)またはガーゼ・布
◎コケ
◎園芸用の綿の糸
◎ハイドロカルチャー用の植物(アイビーやオリヅルランなど)
今回はタマシダを使います。
◎ガラス製の小さい容器
◎ハイドロコーンまたはゼオライト
ネルソル
苔玉をつくる際によく用いられる「ケト土」という粘性の高い黒い土がありますが、私はケト土は使いません。手が真っ黒になるだけでなく、一度乾燥すると固くなって水を吸収しにくくなる性質があるためです。
『ネルソル』は、ピートモスやゼオライト、バーミキュライトなど園芸でよく用いられる用土をブレンドしたものに、粘性の出る水溶性合成高分子が配合されているもので、水と混ぜて練りこむと粘りが出て土団子にしたり、植物を流木や石に固定するための接着材変わりに使用することができます。
ケト土と大きく違うところは、水はけ・水持ちなどの機能がバランスよく、手で団子状にする時力いっぱいにぎってもケト土のように固く締まることがありません。非常に使い勝手の良い商品です。
キムタオル
苔玉づくりで、植物の根鉢のまわりをよく『乾燥水ゴケ』で包む方法が紹介されていますが、水ゴケはあまりおすすめしていません。時間がたって水やりを繰り返しているうちに、根鉢のまわりの用度が流出する可能性があるためです。
代わりに根鉢のまわりをくるむものとしておすすめするのは、この「キムタオル」のようなウェスや、ガーゼやハンカチなどのように『編み込まれている』布状のものです。
私が好んで使っている「キムタオル」は、もともと作業現場での水吹きや油吹き用のパルプを折り込んだ業務用のウェスですが、水分をよく含んでくれる一方、キッチンぺーパーのように水に溶けることがありません。ホームセンターでも手軽に入手できますし、布よりも安価であり、また紙なのでハサミでも容易に切れるので重宝しています。
分離型苔玉の作り方
では、実際に作り方を紹介していきます。
①ネルソルでこぶし大の団子をつくる
上記で紹介した『ネルソル』をボウルに適量入れ、ネルソル:水=10:4くらいの比率で混ぜます。
水を入れてこねていると徐々に粘りが出てきます。1分程度こねてから団子状に丸めてみて、半分に割ってみた時に糸を引くようになっていればOkです。
②キムタオルをボールにひき、ネルソル団子を入れる
①で作ったネルソル団子をボウルから取り出し、ボウルにキムタオルを引いてからまた団子を入れます。
キムタオルは、私の使っているものだと4重になっていますが4重のまま使っています。
③ネルソル団子をボウル内で薄く伸ばす
ネルソルを、ボウルの内壁に沿って薄く均一に延ばします。薄くといっても薄くしすぎると割けてしまいますから、指の先や手のひらを使いながら、2cm前後の厚みになるようにぐっぐっと伸ばしてください。
④ガラス容器を中央にねじ込み、キムタオルごとくるむ
小さなガラス容器を、ネルソルとキムタオルで包み込みます。もちろん、ガラス容器の口の方は開けておきます。
ガラス容器を包んだまま、全体が丸い形になるように両手でぎゅっぎゅっと握ります。
この時、キムタオルの余分な部分はハサミで切り取ります。
ガラス容器をそっと取り外すと…
これでネルソルにガラス容器の「型」がつきますね。
⑤ガラス容器の「型」の中にキムタオルを敷き、ガラス容器を再び中に入れる
④でできたガラス容器の「型」に、キムタオルをかぶせます。この時、あまり手で強くおさえすぎると型が崩れてしまいますので、軽く指先でつつきながらキムタオルを型の中に入れ込みます。
一旦取り外していたガラス容器を再び穴(型)の中に戻し、敷いたキムタオルがしっかりネルソルと密着するようにガラス容器を押し付けます。
⑥綿の糸を使って苔を巻き付ける
一般的な苔玉づくりと同様、苔を貼り付け、綿の糸で固定します。
今回、苔マットを購入せず、自宅の庭のハイゴケ(スナゴケも混ざっている)を利用したので、一つ一つの塊が小さく貼り付けるのに苦労しました。やっぱり苔玉づくりには苔マットの方が使い勝手がいいですね。
ガラス容器は簡単に着脱可能です。
ガラス容器にハイドロカルチャーの好きな植物を植える
ガラス容器を取り外し、ハイドロカルチャー用の好みの植物を植えたら苔玉にセットしてください。今回はタマシダを植えました。
→苔玉を枯らしてしまう、初心者にありがちな5つの先入観
→初心者に優しい苔玉の選び方とは?育てる難易度ランキングでみる苔玉の種類
→苔玉の育て方で水やりと施肥、置き場所以外に忘れてはいけない大事なこと
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