【散策 苔訪ねVol.8】 ご近所さんの庭のボリューミィなスギゴケ・ハイゴケ
私の息子を赤ちゃんの時からよくかわいがってくださるご近所さんがいます。先週末に家族で散歩をしていた時、ちょうどそのご近所さんの奥様がガレージの掃除をされていたので、いつものように息子が駆け寄っていったので後をついていきました。
毎日のようにご近所さん宅の前は通りますが、道路側に生垣があるためお庭の中まで見たことはありませんでした。ガレージに踏み込んだ時にお庭の様子も見えたのですが、立派な広い芝庭が…。さすが会社を経営されているだけあって、ただ広いだけでなくきちんと手入れもされている様子。
その時私の苔アンテナ(?)がぴん、と反応。
芝庭と一体になってぱっと見ではわかりにくいのですが、庭の植栽の根元には立派なモコモコの苔たちが!「すみません、ちょっとお庭を見せていただくことできませんか?」とお願いしたところ、快くOKをいただき中に入れていただくことができました。
その時の様子をお伝えします。
やっぱりハイゴケとスギゴケの相性はいい?
プライバシーの問題がありますのでお庭全体のお写真を掲載することはできませんが…。
ふかふかのハイゴケ&スギゴケのマット
※クリックで画像拡大
植栽の根元、というか周辺全体がコケの緑の絨毯になっています。よく見ると、ハイゴケの中にスギゴケのコロニーが見えますね。
奥様のお話では、意図的に苔を植えたことも育てたこともなく、自然に生えてきたとのこと。こんな近くにきれいな天然のスギゴケの群生があるとは灯台下暗し、でした。。
近づいてみていると、苔のマットはかなり厚い様子。手を当ててみるとふかふかで、指でかきわけてみてみると、スギゴケは15cm近い丈があるようでした。
▼こんもりとした苔マット
▼指でかきわけてもなかなか土壌が見えないほど背が高いスギゴケ
苔に最適な環境
築15年~20年くらいと思われるお宅ですが、長い年月をかけてここまで生長したということと合わせて、半日蔭~明るい日蔭を好むハイゴケやスギゴケにとってはとても最適な環境だったのでしょう。
一番最初の写真にも写っている塀は庭の南側にあり、この苔が生えている辺りは直射日光が当たりにくい場所と言えます。かといって暗いわけでもなく、お庭が広いので非常に明るい。加えて、芝庭もきれいに手入れされていることから、水やりなどもきちんとされてこられたのでしょう。塀に囲まれているので風も入り込みにくく、湿度も比較的安定していると思われます。
私が以前アップした記事「苔を育てるために押さえておきたいポイント」でもお伝えをした、苔を健全に育てるうえで考慮すべき『日照』『湿度』『水やり』がハイゴケやスギゴケにとってばっちり合っているのでしょう。
また、改めてハイゴケとスギゴケの相性がいい、ということも思い知らされました。一部の人は「匍匐性(ほふくせい)のハイゴケは、直立型のスギゴケの発芽・生長を阻害する」との考えをもってらっしゃるようですが、私の中庭の苔でも、このご近所さんの庭でも見事にハイゴケとスギゴケは共存しています。
ハイゴケが地表を多い、コロニーに厚みが出てくる中で保水力も高まり、スギゴケが育ちやすい環境を提供していると考えられます。
「好きなだけ苔を持って行ってもいいわよ」と言っていただきましたが、これだけきれいに生えそろった苔を剥がすのは気がひけましたので、一部のスギゴケを刈込んで『苔の種』用にいただくことにしました。
つくづく、「苔はやっぱり環境が命だなぁ」と思います。環境さえ整えてやれば、「苔を育てる」意識がなくても、苔はこんなにたくましく美しく育つんですから。
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