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苔の植えつけ ②蒔きゴケ法(まきゴケ法)

      2016/03/27

 
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蒔きゴケ法により、人工的に苔を生産できるようになりました。苔の種を蒔いて発芽させ、苔を育てる方法です。今回は、まきゴケ法をご紹介します。まきゴケ法(あるいは撒きゴケ法)の実践はやや中級者向けかもしれませんが、苔の特性を知る上でも頭に入れておいて損はないと思います。

まきゴケでなぜ増やすことができるのか

苔が子孫を残すための方法として2種類あります。「有性生殖」と「無性生殖」です。※苔園芸で一般的に利用される苔についての解説です。全ての種類にあてはまるわけではありません。

有性生殖では精子と卵子が受精し、胞子となります。この胞子が土壌に定着し、環境が合えば原子体と呼ばれる糸状のものを伸ばし、そこから発芽します。目には見えませんが空気中には大量の苔の胞子が待っています。有性生殖するということは、苔にも雄株と雌株があるということです。

無性生殖では、親の茎や葉の一部から細胞分裂し、クローン苔を発芽させます。この芽を無性芽と言います。この性質を生かして園芸用の苔の人工生産に取り入れたのがまきゴケ法です。苔を人為的に粉砕し、『苔の種』にして蒔き、無性芽を出させることで量産できるわけです。ですのでこの記事でも使っている苔の種とは本当の意味での種ではなく、通称です。

自然の苔の「有性生殖」と「無性生殖」の使い分け

胞子が定着して原子体を伸ばし発芽していくわけですが、密なコロニーを形成するまでは無性芽を出して増えていきます。コロニーの密度が低いと、雄株の精子が雌株に届く確率が非常に低いためです。逆にコロニーが発達して密集してくると無性芽を出す余地がなくなりますので、有性生殖によって胞子を作り、風や雨に乗せることで生息領域を広げるのです。

なんて苔は知的なんでしょう(笑)

まきゴケ法をオススメする理由

さて、本題に戻します。

蒔きゴケ法は1から育てるやり方なので時間は少しかかりますが、時間がかかる分メリットも大きいです。

低予算で苔を増やすことができる

はりゴケ用の苔シートを購入すると、トレイ1枚分約0.2平米あたり2500円前後が相場です。仮に1平米分の苔が必要であればシート5枚分ですから、予算は単純計算で1万2500円ほど。
まきゴケ法ですと、10リットルの『苔の種』の価格が3000円ほどで、10リットルで2平米程度の苔が生産できますから1平米当たりの予算は約1500円となります。苔シートの約8倍のコストパフォーマンスです!
もちろん、育てるための時間と手間がかかってきますので単純比較できませんが、それでもコストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。

高品質な苔シートを自家生産できる

別の記事で、ネットショッピングで高品質な苔シートを見極めることが難しいということを書きました。自分で育てれば、私の言う高品質な苔を大量に生産できます。もちろん、そのためのコツがあります。
まきゴケ法で適切な管理をして育てれば、均質で丈夫なマットが出来上がります。そして、自宅の庭とほぼ同じ条件で自家生産した苔シートを貼りゴケすれば、環境のギャップが少ないため定着しやすくなります。もちろん、日照などの条件は守ってくださいね。

まきゴケのやり方

まきゴケ法の具体的な手順です。
今回ご紹介するのは、あまり大掛かりにならず、初心者でも気軽に蒔きゴケ法にチャレンジできるやり方でご紹介します。

準備するもの

・生産したい種類の『苔の種』
・育苗箱 (プランターや鉢などでも大丈夫です)
・苔用に配合した培養土
・目土用の川砂
・スコップ あれば左官用のコテ
・ジョーロ
・キッチンペーパー(フレッシュパルプ100%のもの)

蒔きゴケの手順

①育苗箱などの容器に培養土を入れます。育苗箱のようにトレイ状の容器の場合は少なくとも3cm程度の厚みにしましょう。
培養土は水はけがよく、保水性もあることが重要です。黒土 : 川砂 : ピートモス=4 : 4 : 2  くらいの配合がオススメです。

②スコップやコテなどで培養土を平らに均します。

③培養土の上に苔の種を0.1平米あたり約500mlのせ、苔の種同士がなるべく重ならないようにスコップやコテでまんべんなく広げます。広げたら押し当てて苔の種と培養土を密着させます。

④苔の種が半分程度頭を出す程度まで川砂で目土いれをします。

⑤キッチンペーパーを全面に被せます。キッチンペーパーは薄手のフレッシュパルプ100%のものを選びましょう。2枚重ねになっているものは1枚1枚剥がすようにしてください。厚手のものは水で溶けるのに時間がかかるので避けましょう。

⑥ジョーロで優しくたっぷり水をかけます。

⑦1日中日光の当たらない日陰で管理します。降雨だけでもたいてい発芽はしますが、早く発芽させたいのであれば発芽するまで乾燥しないよう水やりをしましょう。

以前私も自宅の庭用にスギゴケとスナゴケを、蒔きゴケ法で生産し、2年程たったものを貼りゴケで使用しました。その時は記事にして情報発信する考えがなかったので具体的な手順の写真を残していません(泣)。
私からは文章で紹介させていただきましたが、写真入りで手順を確認したい方のために参考サイトのリンクを貼っておきます。写真が用意できましたら順次更新します。

→別記事作成時に新たに蒔きゴケを行いましたので、その記事の中で写真付きで手順をご紹介しています。
 参考)「苔の育成レポート スナゴケ・ハイゴケの増やし方① 20150320

キッチンペーパーを被せる目的は?

乾燥を防ぐためです。キッチンペーパーの保水力により表土の乾燥の進行を遅らせますので水やりが楽になります。
見た目はあまりよくありませんが2〜3ヶ月程の間にほとんど溶けてしまいますので我慢してください。

発芽に日光は必要ない

一般的な種子植物もそうですが、発芽にあたっては日光は必要ありません。逆に日光は乾燥や蒸れの原因になります。キッチンペーパーは余分な日光から守る役割もあります。

一度に大量の苔を生産する場合は都合よく日陰の場所で管理できないケースもあるかと思います。日光の当たる庭などで管理する場合は遮光率50%〜75%程度の遮光ネットを被せれば、広範囲の日避け対策ができます。

苔の種の購入

苔の種はネットで購入できます。
▼スギゴケの種はAmazonで買えます。

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★「相馬グリーンさん」がスナゴケの種を販売されています。
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苔人チャレンジ!スギゴケの直播きレポート〈予告〉

蒔きゴケ法を用いるのであれば、これまでお伝えしたように生産を目的としてマットが出来上がったものを貼りゴケすることで、綺麗で丈夫な苔庭作りができます。これがセオリーです。私もこれまでそうしてきました。
特に一般住宅において、露地への直播きは失敗する確率が高く、とりわけスギゴケは難しいと言われています。発芽してもポツポツとまばらで、コロニーを形成するまで時間と手間がかかります。

ただ私は、性格といいましょうか、難しいと言われていることにあえて首をつっこみたがるもので、スギゴケの直播き(露地への蒔きゴケ)を決行いたしました!(笑)

その進捗を今後「苔の育成レポート」のカテゴリーで報告していきたいと思います。失敗するかもしれません。その時はどうか私を笑ってやってください!

現時点で予定している「苔の育成レポート」の題材は以下2箇所。

▼2015年2月28日にアプローチにスギゴケを蒔きゴケ
wpid-dsc_0963.jpg
アプローチの蒔きゴケ育成レポートはこちら

▼2013年3月17日に中庭にスギゴケ・ハイゴケ・カモジゴケの3種混合を蒔きゴケ
wpid-20130317_122926.jpg
→中庭の蒔きゴケ育成レポートは こちらから

■関連記事
まきゴケ用の苔の種(タネ)は、なぜ苔を乾燥させた上に粉砕してつくるのか?
苔の植えつけ ①貼りゴケ法(はりゴケ法)
苔の植えつけ ③移植法

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