苔庭に貼りゴケしたスギゴケが枯れるのはなぜ!?
2016/03/05
園芸用の苔の中で、苔庭用として抜群の人気を誇るスギゴケ。順調に育っていたと思っていたら部分的ないしは全面的に赤茶色に枯れてしまうことがあります。なぜなのでしょうか?
今回はスギゴケの枯れと考えられる原因、その対処法についてです。
スギゴケの苔庭に多い「枯れる」トラブル
苔庭づくりにおいては「貼りゴケ法」によって人工的に植えつけるケースがほとんどです。苔庭が完成した時から理想通りの癒やしを与えてくれます。短期間で苔庭を完成させられるのが貼りゴケのメリットです。
しかし、1〜2年ほど経つとところどころ穴が空いたように枯れたり、全体的に枯れ込んでハゲ山のようになってしまったりと「スギゴケの枯れ」によるトラブルは非常に多く、この記事をご覧いただいている方の中にもその悩みをお持ちの方がいらっしゃると思います。
私も全てのケースを把握しているわけではありませんが、スギゴケの枯れ方ごとに、症状と考えられる枯れの原因、その対処法をまとめてみます。
枯れの症状別 対処法《前編》
<症状 1> 夏場・冬場に赤っぽくなる
この症状はそれほど深刻に捉えなくてもいいと思います。夏場と冬場は特に苔が乾燥しやすいので赤くなることはよくある事です。苔が弱っている!と慌てて日中日か当たる時間帯に水やりするのは厳禁です。蒸れて本当に枯れてしまいます。
水やりや日照などの適切な管理ができていれば、春・秋にはモスグリーンが甦るでしょう。
▼春が近づき気温が上がり始めると、再び成長を始めます(先端が新緑色です!)
対処法)
●この時期の変色は仕方がないと割切れるなら、特別何もする必要はありません。通常通りの管理でOKです。
●変色が気になる方は、夏場には遮光ネットで日射しを遮ってあげましょう。冬場については乾燥させないように注意することですが、生長が鈍くなっている時期ですから水のやり過ぎはいけません。
<症状2> 樹木の下に穴が空いたように枯れる
植栽の下に貼ってあるスギゴケによく見られる現象です。ポコッと穴が空いたように枯れたり、帯状に枯れたりします。
これは植栽の葉っぱや枝からの雨垂れが原因と考えられます。雨が降るために雨垂れがかかり、その圧力や雨上がり後の蒸れなどで苔がダメージを受けている可能性があります。
対処法)
●枯れたところは貼りゴケして補修します。
●根本的な解決は雨垂れがかからないようにすることですが、傘を差す分けにもいきません。樹木の下で雨垂れしてくるところには、常緑の下草を植えるのも手です。ヤブランやセキショウなどの葉ものがいいと思います。葉の大きい(広い)植物はおすすめしません。逆に雨や朝露がかからなくなって乾燥の原因になります。
●貼りゴケで補修する際、土壌は一度耕し、水はけがよくなるよう川砂やバーミキュライトを混ぜ込みます。菜園などでよく使われる、炭粒やくん炭(もみがらをいぶし焼いたもの)を混ぜ込んでも水はけは改善できるのではないでしょうか。
▼『症状3と症状4』は後編で解説しています。
⇒苔を育てるために押さえておきたいポイント《後編》へ
※前編の記事が長すぎたため、都合により分けさせていただきました。
▼下記よりスギゴケの「苔の種」が買えます(Amazon)
新品価格 |
お探しの情報へはサイトマップから!
|
|
Comment
杉苔が綺麗に生えていたのですが、水苔が急に増え杉苔を枯らしてしまいます。水苔を駆除する方法はないのでしょうか?
コメントいただきありがとうございます。
その杉苔の生えてる環境や条件などがわからないので正確に回答はできないのですが…。と言いますのは、まずその杉苔が天然のものか植え付けたものか、生えている場所がどんなところなのか。
当方はあまり杉苔と水苔が混ざって育つという状況を見聞きしたことがありませんが、常に水が滞ってるような湿地帯や沼のようなところなのでしょうか?
杉苔を育てていると、ハイゴケやスナゴケ、日の当たりにくい場所ですとゼニゴケなど他の苔が混じって生えてきたり、カビなどの菌類が混じって繁殖することがよくあります。
ゼニゴケやカビならば、川砂など通水性の高いものを杉苔の間に目土して改善を試みたり、もし人の手で水やりをしているなら水やりの回数を減らすあるいは1週間から10日間水やりをせずに様子をみてみるなどが対処法として考えられます。
水苔の生態については詳しくはわからないのですが、もし、天然の杉苔で水苔が増えやすいような環境に自生しているものだとするとなかなか駆除というのは難しいような気がします。
それが本当に水苔なのかどうかも含め、どのような環境の杉苔なのか改めて情報をいただけると何かお役に立てるかもしれません。