土を使わず苔の種から育てる苔テラリウムの作り方《構想編》
2016/03/16
小さな緑の癒し系アイテム、苔テラリウム。通常は完成品を園芸店や雑貨屋などから買ってきてインテリアとして飾るケースがほとんどでしょう。完成品は、かわいくレイアウトされていて買ったその日から楽しめるというのが最大のメリットですね。
私はただ苔は眺めるだけでなく、自分の手で一から増やして育てる楽しみ方もあることをこれまで育成レポートなどで紹介してきました。その延長で、苔テラリウムについても完成品ではなく、「一から育てるタイプがあってもいいのでは?」と考えました。
ということで、実験を兼ねて『育てる苔テラリウム』を作り、観察していきます。
「育てる苔テラリウム」のメリット・デメリット
この記事は《構想編》、別記事で《作製編》、そして観察を続けていく《育成レポート》という形でお伝えしていければと考えています。
育てる苔テラリウムのコンセプト
他でも紹介している実験・育成レポートもそうですが、当サイトの基本コンセプトは「素人でも、一般住宅で、できるだけ簡単に、無駄にお金をかけず苔を楽しむ」としていますから、これからやろうとしている『育てる苔テラリウム』もそれに沿う形で考えました。
①室内で育てられる
インテリアとして飾ることを主眼に置いた苔テラリウムですから室内で育てることを前提にすることは当然ですね。
②土を使わない
園芸用と言えど室内に土を持ち込むことに抵抗のある人もいると思います。土を使わず、衛生面にも配慮した苔テラリウムを目指します。
③水やりなど管理の手間は極力低減
本当は苔の様子を日々観察して、適宜水やりやメンテナンスをしてあげることが理想ですが、仕事や勉強、子育てなどで忙しいと毎日かまってあげられないと言うのが実情でしょう。水やりは極力回数が少なくて済むように工夫します。
想定されるメリット
上記の構想で実践した場合、「育てる苔テラリウム」には次のようなメリットが生まれると考えています。
①室内環境に適した管理しやすい苔テラリウムになる
一から育てるので、きちんと発芽して定着するところまでもっていけば、その苔はその環境に適応してくれたと言えるでしょう。通常苔は自然界(屋外)で育つものですので、屋外で育ったものを室内に持ち込むと環境の変化に反応して変色したり色ツヤがなくなったりしますが、その心配もありません。基本、同じ管理方法を続けてさえいれば長期間楽しめるようになるでしょう。
②比較的衛生的な苔テラリウムになる
土を使わず別の素材を基盤(土壌)に使用することで、虫やカビが発生を極力抑えることができ、キッチンテーブルなどの上にも飾れる生きたインテリアになります。もちろん、部屋の中には目に見えないカビや菌がまっているので、湿気があるとそこで繁殖することは完全には防げないとは思いますが、様々な養分を含む土に比べると大幅に発生を抑制することはできると思います。
③苔の奥深さに触れることができる
苔は身近などこにでも存在するものですが、あまりその生態に触れる機会はよほど苔好きでない限りないかもしれません。今回の苔テラリウムは一から苔を育てるので、その過程で苔について様々な発見があるでしょう。普段気にも留めてない世界に目を向けることで、日常の中に新鮮な気持ちをもたらすでしょう。
想定されるデメリット
一方、デメリット(?)も想定しておきます。
①思い通りの苔テラリウムになるかわからない
市販されている苔テラリウムの完成品であれば、好みのレイアウトになっているものを選ぶことができますが、一から育てるとなると発芽して生長したあとのレイアウトを想定することはとても難しくなります。ある程度生長した後にピンセットを使って間引いたり、はさみで切って形を整えたりしてある程度レイアウト調整は可能かとは思います。ハイゴケなど匍匐性の苔は横に広がるので、生長しすぎるとおそらく容器の中を覆ってしまってレイアウトどころではなくなると思います(笑)。直立型の苔の種類を選んだり、できるだけシンプルに植え付けた方が後々レイアウト変更などの融通がきくかもしれません。
②失敗する可能性がある
種子植物なら、種の蒔き方から発芽までの管理方法、発芽後の管理方法など情報が豊富ですが、苔の育て方についてはまだまだ「これが正しい」という情報が少ないのが実情です。「苔は湿度を好むから水をたくさんあげよう」というイメージだけで育てようとするとおそらく失敗するでしょう。その点については、私のこれまでの苔の育成経験をもとに「苔の育成レポート(苔テラリウム編)」を通じて管理方法なども紹介していくので、その通りにやれば大きな失敗はしないはずです(私自身、まだ100%の成功する自信があるわけではありませんが…)
まずは作るための準備!
では、「育てる苔テラリウム」を作るために必要なものを揃えていきます。
興味のある方は続きをご覧ください。
⇒続き「土を使わず苔の種から育てる苔テラリウムの作り方《準備編》」
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