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苔を育てるために押さえておきたいポイント《後編》

      2016/03/05

 
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「苔を育てるために押さえておきたいポイント」の《後編》です

※前編の記事が長すぎたため、都合により分けさせていただいています。
苔を育てるために押さえておきたいポイントの続きです。『水やりのタイミングと回数に注意する』についてです。

水やりのタイミングと回数に注意する

苔への水やりの目的は、一般的な植物とちょっと意味合いが異なってきます。一般的な植物は土壌の水分を根から吸収しますが、苔の多くは仮根すら持っていませんので土中の水分を吸わせるわけではなくなってきます。もうお分かりかと思いますが、前項で述べた湿度をある程度保つための補完としての水やりということです。

水やりのタイミング

屋外と屋内では若干変わってきます。

まず、苔庭などの屋外管理の場合、は日の当たる日中は避けるようにしてください。日光があたると、想像以上に地表面は熱せられますので、苔が蒸れをおこしてしまいます。
朝方の水やりを基本とするといいでしょう。理由は、自然の中では朝露に濡れて元気に育つ苔が多いからです。比較的早い時間帯から日光が差し込む環境では日が昇る前には水やりを済ませることをオススメします。
ただ、水やりだけのために早起きするのは…と躊躇される方は、タイマー付きの自動散水器がホームセンターでも数千円〜1万数千円ほどで売ってますので取り入れてみてはどうでしょうか。私も自動散水器で手間を省いてます。

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夕方に水をやる場合は、冬場の夜間の気温に注意しましょう。水やりが原因で凍ってしまったり、霜柱がたつと苔によくありません。
屋内では特にここ、というタイミングはありませんが、もし日光が差し込む窓際に置いている場合は、屋外管理同様日中の水やりは避けましょう。

水やりの回数

屋外管理の場合、基本的に1日に1回でいいでしょう。雨があまり降らず、乾燥気味の日が続く時は朝夕の2回にします。逆に梅雨の時期など雨が多い場合は水をあげる必要はありません。
夏場、日の当たるところはとても乾燥しますので早朝と日の入り後の2回水やりするといいでしょう。

屋内管理では、苔の状態や表土の状態をみて水やりするようにしましょう。
全てではないですが、多くの苔が乾燥してくると縮れてきたり白っぽくなったり、サインを発します。
表土が見えている場合は、表土が乾いていたら水やりをしましょう。
インテリアとして飾っている場合、鮮やかなモスグリーンでないと見栄えが悪い、と頻繁に水やりをする人がいますが、水のあげ過ぎは逆効果です。苔が変色やカビの発生につながります。
ホソバオキナゴケなどコロニーに厚みのある苔は乾燥気味にするのがちょうど良いです。

水やりの際に注意することとしてもう1点補足します。それは、柔らかく水やりをすることです。
ホースなどから高圧で放出したものをダイレクトに苔に当てないでください。仮根のないハイゴケやスナゴケはそれだけで剥れてしまいます。
ホースで水やりする時も、霧状に噴射できるノズルを使用し、高い位置から雨を降らすように水をまいてください。私は霧状に水がまける園芸用のチューブ(平らなチューブに小さな穴がたくさん空いているもの)を使用しています。
小さなスペースではジョーロで優しく水やりしましょう。屋内でしたら霧吹きでいいでしょう。

水やりの注意点のまとめ

◎日光の当たる時間帯は避ける
◎過度な水やりは避ける
◎高圧で水をかけない

水やりについてちょっと理想論ですが。。
日照☓湿度の環境を整えてやることができていれば、本来降雨だけで十分で、よほど雨の降らない日が続かない限りは水やりも必要ありません。
自生している天然の苔に水やりをしている人はいませんよね?
庭植えする一般的な植栽も、環境(日照☓水はけ、水持ちなどの土壌)がその植物にマッチしていれば、多くは水やりの必要はありません。
植物を育てるのに水やりは必須のようなイメージがありますが、それは育てる側の都合でその植物に本来合わない環境で育てようとするためです。
水やりの前に、可能な限りその苔にとって最適な環境にしてあげる、逆に環境に合った苔を選ぶことの方が失敗も少なく手間もかかりません。

土壌のph値について

最後に土壌のphに触れますが、苔園芸においてそんなに神経質にph値を気にすることもないので参考までに。
ph(ペーハー)値とは、ざっくり言えば酸性、中性、アルカリ性を示す数値です。小学校の頃、「リトマス紙」を水溶液に浸して青になったらアルカリ性、赤になったら酸性、と実験をしたことがあるかと思います。

苔園芸で利用される多くの苔が弱酸性の土壌を好むと言われています。屋外の場合は雨が弱酸性ですので自然と土壌も弱酸性寄りなります。
家庭菜園をやってらっしゃる方は、土づくりの一環で苦土石灰を混ぜ込んだりしますが、苔園芸では逆効果なので不要です。
屋内で栽培する際の土づくりでは、鹿沼土を混ぜ込んだり、無調整のピートモスを少量混ぜ込めば酸性寄りなります。

ちなみに余談ですが、「リトマス紙」の「リトマス」って苔の名前だってご存知ですか?小学生の頃、水溶液が酸性かアルカリ性か、実験したことがあるかと思います。
リトマスゴケを酸化発酵させて色素を抽出し、紙に染み込ませたものが「リトマス紙」です。
日本に自生するウメノキゴケやニクイボゴケからも同様の色素を抽出できるそうですよ。

▼これは日本に自生するウメノキゴケ
Parmotrema_tinctorum_umenokigoke01

▼苔を育てるために押さえておきたいポイントの前編をまだお読みでない方は

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