苔庭の育て方・年間管理〈ハイゴケ〉
2016/03/05
ハイゴケで苔庭を作る場合の植え付けから年間管理についてです。ハイゴケは植え付け場所を大きく誤らない限りは定着しやすく、増えやすいのであまり管理に神経質になる必要はないでしょう。乾燥してもたちまち枯れるというようなこともないので、過保護に水やりしなくても大丈夫です。
自宅の庭で育てたハイゴケを使って苔玉を作れば、一層愛着が湧くかもしれませんね。
植え付け
植え付け場所
ハイゴケは1日数時間日光が当たる半日陰から明るい日陰くらいでよく育ちます。全日照でも育てることは可能ですが水やりの管理が難しくなります。
比較的湿度が安定した場所を好みますので、できるだけ風が入り込まないようにしましょう。
植え付け方法
ハイゴケは貼りゴケでも蒔きゴケでも定着させやすい苔です。
貼りゴケ法による植え付け
年中植え付け可能ですが、適期は最低気温が0度を下回らなくなってからの3月〜6月頃と、残暑が和らいでからの9月〜11月です。
庭土に川砂などを混ぜ込んで水はけを良くしてからハイゴケのマットを貼り付けます。この時、マットをそのまま貼るのではなく、少し引っ張って面積を広げてから貼るのがコツです。マットが蜜だと生長の余地があまりなく、増えるスピードが遅くなります。引っ張って苔同士の間に若干の隙間を作ってやることで生長余地ができます。
複数のマットを植え付ける時は、マット同士の間に1cm程度の隙間を空けるようにして貼っていきましょう。隙間は1ヶ月ほどで埋まります。
土壌にしっかり圧着させた後、上から川砂で目土入れをします。これが重しになり苔を動きにくくすると共に、乾燥から守る役割があります。
目土入れをした後、ジョーロで優しくたっぷりと潅水します。潅水後、再度コテやスコップで圧着させます。
蒔きゴケ法による植え付け
適期はほぼ貼りゴケと同様です。地域差はありますが、気温が0度を下回る時期よりも1ヶ月前までには蒔きゴケを完了させましょう。
ハイゴケを手でもみほぐし、土壌の上にあまり苔同士が重ならないように蒔きます。市販の『苔の種』でもけっこうです。蒔き終わったら貼りゴケ同様目土入れをしてたっぷり潅水します。潅水後圧着させる時に真上から下に押し当てるようにしましょう。撫でてしまうと苔が動いてしまいます。
水やり
植え付け後、貼りゴケの場合は2ヶ月程度、蒔きゴケの場合は均一に生え揃うまでの4ヶ月程はできる限り水を切らさないようにしましょう。定着してしまえば、よほど乾燥する日が続かない限り降雨だけでも問題ありません。
もし水やりをする時は、水圧で苔が動いてしまわないようになるべくジョーロで、ホースでも優しく水をかけてあげましょう。ハイゴケは仮根を持たないので簡単に剥がれやすいです。
施肥
肥料は一切必要ありません。
除草
密なマット状になると雑草は生えにくくなります。そうなるまでは3月くらいから雑草が生えますので、できるだけ背丈が低いうちに抜いてやりましょう。
ハイゴケは剥がれやすいので、雑草を抜く時にしっかり根元に手を添えて真上に引き抜くようにします。
除草剤を使う時は「プリグロックス」を200倍に薄めたものを散布します。
目土入れ・追い蒔き
ハイゴケのマットがまだ薄く、ところどころ表土が見えるうちは、年に1回川砂または川砂に黒土を混ぜた目土で目土入れをします。目土入れをしたらたっぷり潅水し、目土が苔の隙間に入り込むようにします。目土を入れることにより、ハイゴケの広がり(発芽と生長)を促します。目土入れは梅雨明け直後や冬に入る前など、乾燥しやすくなる前に行うと効果的です。
ハイゴケの場合、特に苔の種の追い蒔きは不要です。何かしらの原因で剥がれたり箇所には苔の種を蒔くか、他の箇所からハイゴケを拝借して貼りゴケで埋めてあげましょう。その時目土入れを忘れずに。
刈り込み
ハイゴケはほふく性なので横へ横へと広がります。植栽や庭のオブジェにかかって都合の悪い時はその部分をハサミなどでカットしましょう。手でも簡単に剥がすことができます。
順調に生育し数年経つと、苔のマットの厚みが5cm以上になる場合があります。マットの内部は蒸れやすく、また日光が当たりにくいので赤っぽく変色しています。マットの厚みを薄くしたい場合は雑草用の刈込みバサミなどでマットの表面を刈り取り、刈り取ってでた苔くずを蒔きゴケします。最初は全体が赤茶色っぽく見栄えが悪くなりますが、蒔いた種苔から新芽が出て1ヶ月程経てば徐々に緑が戻ってきます。刈り込みは真夏・真冬をできるだけ避けた時期に行います。
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