よく知られている苔玉のつくり方〜基本編〜
2016/03/05
苔の楽しみ方の一つに「苔玉」があります。近年苔の愛好家が増えた一つの理由に数年前の苔玉の流行があると言われています。簡単につくれることから、全国各地で”苔玉教室”も頻繁に開かれ、インテリアとしても市民権を得つつある苔玉。同居させる植栽も様々なバリエーションが考案され、一種のアートとしても活躍しています。今回は一般的によく知られている苔玉のつくり方をご紹介します。
様々な素材を使った苔玉
①「ケト土」を使った苔玉
今でも多くの人が、苔玉と言えばこのタイプのものが頭に浮かぶのではないでしょうか?数年前、最初に苔玉がテレビ番組で紹介された時に、このケト土を使った苔玉が紹介されました。すると、非常に簡単につくれる(つくれそう)と瞬く間に広がり、苔玉ブームへとつながっていきました。
この「ケト土」を使った苔玉は、ざっくりと下図のような構成になっています。
ケト土とは、植物が沼などの水底に蓄積し、長い年月かけて炭化して泥状になったものです。色は黒っぽく、粘土のような粘性があるのが特徴です。ホームセンターの園芸コーナーなどで販売されています。
苔玉と同居する植栽を土ごとケト土でくるみ、その周りにハイゴケやハネヒツジゴケなどの苔を巻いて留めてつくります。ケト土を使う最大のメリットは、玉状など形をつくり易いからです。ある程度大きめの苔玉も作ることができます。
ケト土は保水性がありますが、一方で、一度乾燥すると非常に硬くなり、水分を通しにくくなる性質があります。うっかりしばらく放置していた苔に慌てて水をあげたものの、実は中まで水が浸透していなくて植栽を枯らしてしまった、という経験がある方も多いのではないでしょうか。
あと、ケト土は素手でやると手が真っ黒になります。
▼ケト土を使った苔玉づくりを紹介しているサイトです。
how to情報 コメリ.comさん「苔玉の作り方」
②「ミズゴケ」を使った苔玉
ケト土の代わりにミズゴケを使用して根鉢をくるむやり方があります。通常は乾燥したミズゴケを水でもどしたものを使いますが、ミズゴケを巻いて完了するタイプと、さらにその外側にハイゴケなどの生苔でくるんで完成させるタイプとがあります。
苔玉は小さなグリーンアイテムとして飾られるケースが多いですから、出回っているものの多くは後者のタイプです。ミズゴケも、ケト土と同様ホームセンターで入手可能です。
ミズゴケを素材として使う場合、大きなサイズの苔玉を作るにはテクニックがいりますので、一般的には直径6〜8cm位までの手のひらサイズ程度のものがよく作られています。
ミズゴケも保水性に富みます。
▼ミズゴケを使った苔玉づくりを紹介しているサイトです。
ぼんさい手帖さん「苔玉の作り方」
「軍手や布」を使った苔玉
中には「軍手!?」と驚かれた方もいらっしゃるかと思いますが、ご想像通りの軍手です。
実は根鉢の周りをくるむ素材は別にケト土やミズゴケでないといけないわけではありません。適度な保水性があれば、あとはちゃんと根鉢を包み込むことができれば何でもいいのです。手ぬぐいでも麻布でも。
仕上げに生苔でくるんでしまうので、外から見ただけではケト土もミズゴケもその他も違いはわかりません。
身近なものを素材として使えるので、自分流のオリジナル素材の苔玉づくりをするという楽しみがあります。
▼軍手を使った苔玉づくりを紹介しているサイトです。
ひまわり日和さん「簡単苔玉の作り方」
以上、一般的な苔玉のつくり方のご紹介でした。
苔玉をつくった経験のある方は「そんなの知ってるよ」という話だったかもしれませんが、これは次のテーマ「苔玉はなぜ枯れる」への伏線ということでご了承ください。
簡単に作れる苔玉は苔玉教室などのミニイベントなどで体験できる機会は多いですが、家に持ち帰った後そう長くは続かずに苔が変色したり、同居させている植物が枯れてしまったりすることがよくあります。管理上の問題もありますが、つくり方にも工夫が必要だと私は考えています。
真の意味で初心者でも長く育てられる苔玉の作り方はないものなのか、について今後別記事で考察していきたいと思います。
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